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ご挨拶

九州漢方研究会会長

日本漢方交流会顧問

九州大学名誉教授

長崎国際大学名誉教授・特任教授

正山 征洋

第56回日本漢方交流会全国学術総会を本年11月19日、九州大学医学部百年講堂およびオンラインによる開催を九州漢方研究会が担当させて頂くことになりましたので一言ご挨拶を申し上げます。
薬学教育が6年制に移行したのが2006年で、そのモデル・コアカリキュラムに漢方薬に関わる教育が組み込まれ、2013年度改訂版では「医療の中の漢方薬」として 漢方教育が医療系の大学において必須科目となって今日に至っております。これと相まったかたちで2006年度行われました第15改正日本薬局方に漢方薬の収載が開始され、第16改正薬局方(2016年)には35種の漢方薬エキスが収載されました。2021年の第18改正薬局方には温清飲と白虎加人参湯が加わりトータル37処方が収載されるに至っています。このような状況下薬剤師国家試験にも漢方関係の問題が毎年2題位は出題されますので、薬学生は必ず漢方に関わる勉強をしなくてはならない現状です。一方、日本東洋医学会では漢方薬を用いた治療に対する診療ガイドラインを2012年から出していまして、当初は70処方程であったものが2021年には151処方となっています。このように漢方教育のすそ野が広がり、診療の目安が示され漢方薬に関する環境整備が進んで来てはいますが、多くの医療人は漢方薬に関わる教育は依然満足できる状況でないと感じていると思われます。各地域で漢方の勉強会が漢方研究会のかたちで発足し、それらを集約する形が日本漢方交流会で、漢方教育の広い範囲をカバーし、深く探求出来る漢方教育を推進し、漢方を通じて連携を深め、漢方を未来に繋ぐ役目を担っていると受け止めております。是非この機会に漢方を基軸とした交流を深めて頂き、漢方が次世代に伝わって行くための礎となればと念じている次第です。
福岡はアジアの玄関口と言われまして、迎賓館跡も発掘され出土品から多様な文化交流が行われていたことが明らかとなっています。そこで今回の学術総会では漢方に関わる特別講演、教育講演、会員発表に加えまして、ヨーロッパを含めたアジア各国の漢方薬事情に関わるシンポジュウムやアーユルヴェーダ医療、薬膳関連講演等を取り入れております。漢方薬を取り巻く環境の中で、漢方薬配合生薬の80%以上を輸入に依存していることや医療保険に関わる漢方薬の薬価の問題等が漢方薬の存続を危ぶむ声に繋がっていると思いますので、近隣諸国の漢方事情を理解することが必須と考え本シンポジュウムを企画致しました。また、人口問題も大きな課題で、2050年には日本の総人口は1億人を若干超える程に落ち込み、65才以上の人口が35%を超え、1千万人を超える予測が出されている認知症患者を含めた老人医療に対して漢方薬の需要は高まるばかりと推測しております。これら諸事情についてもアジア諸国の内情を理解したいと考えております。
福岡は、蒙古襲来に備え防塁が築かれた地でもありまして、会場の九州大学医学部百年講堂の近くにも見る事が出来ます。その資料館も近くにございますので是非ご覧頂きたいと思います。さらに福岡はお魚が美味いことや屋台のラーメンも有名な地です。是非こちらの方もご堪能頂き充実した交流会となりますよう念じる次第です。

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